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釜ヶ崎支援機構のお仕事支援部とはどんなところか? 就労相談や就職活動の流れを解説!

今回紹介する釜ヶ崎支援機構のお仕事支援部(南事務所)は、釜ヶ崎まち案内の記事にも登場した、通称三角公園と呼ばれる萩之茶屋南公園の近くにあります。

旧あいりん職安の建物を利用して2005年にスタートしました。ここでははどんなことができるのか、職員の大塚さんに聞いてみました。

NPO法人釜ヶ崎支援機構 就労支援事業部 大塚義朝さん

ーーーお仕事支援部のサポート対象者はどんな人でしょうか?

大塚
お仕事支援部は主に西成区を生活圏とするホームレス状態の人、住居不安定な方、日雇い労働者の方等が対象です。

・携帯電話をもっていない
・服がない
・履歴書を書いたことがない
・住民票がない
・手元にお金がほとんどない

といった方が最終的に働いて、安定した暮らしが営めることを目指しています。

ーーー具体的にはどんな状況の方が来られるのでしょうか?

大塚
2021年調べでは、初めて来る人は年間でだいたい200人ぐらいです。1日に3〜4人ぐらい来れば多いほう。訪れる方の特徴はこちらの2パターンが多いです。

ひとつは建設現場で働いていたけれど、高齢や体力仕事で体を痛めたりして、別の仕事を探されている方が多いです。

もうひとつは、派遣労働などをしていて雇い止めにあった人です。雇止めと同時に寮を出され、ホームレス状態となっている方も多く、寮付きの派遣を紹介する場合が多いです。

うちでの対応が難しい例としては、「すぐにできる仕事はないか?」と言ってくる場合です。日雇い労働のお仕事紹介は西成労働福祉センターを案内しています。

ーーーなるほど。そういう2パターンの方の状況にあわせてそれにあった派遣会社を案内するのでしょうか?

大塚
ここへ相談に来られる方は住居不安定の方が多いことが特徴です。私たちは、相談に来られた方のご希望や状況に応じて、いくつかの選択肢を提案しています。

例えば、大阪市が運営する自立支援センターへの入所という選択肢があります。これは住居喪失不安定就労の方が利用できる寮のようなところで、集団生活にはなりますが、衣食住が保障された状態で就職活動をすることができる施設です。ここにはハローワークの職員が週に4日(要確認)派遣されていて、入所者のお仕事探しのサポートをしています。また、運転免許やパソコン技能など、さまざまな資格の取得もサポートしてくれます。3〜6ヶ月の入所期間に仕事に就いてアパートを借りられるぐらいの生活資金を貯めるのが目的です。

ほかには、釜ヶ崎支援機構の居住支援を提案したり、どうしてもすぐに仕事がしたいという人には寮つきの派遣会社を紹介したりもしています。

ーーー派遣会社との面接はどんなふうにするのでしょうか?

大塚
派遣会社さんを含め、私たちの事業に協力いただいている事業者の方には、面接もこの場所(お仕事支援部の建物の2階)で実施していただくことも多いです。

ーーーえ? 派遣会社の方がわざわざ来てくれるんですか? いたれりつくせりですね。

大塚
ここを訪れる求職者は交通費すらも持っていないことが多いですから。なんなら私も同席することがあります。だいたい95%ぐらい事前に先方と話ができていることが多いので、念のため顔合わせをする時間をつくっています。

ーーー2階のこちらの部屋にはスーツがたくさんそろっていますが、これは面接用に貸し出しされているんですか?

大塚
はい。どちらかというと若い30代40代ぐらいの求職者で、面接先に着ていく服がない人に向けてスーツを貸し出しています。

スーツだけでなく、ネクタイも靴も貸し出しています。また必要に応じて携帯電話も貸し出しています。

ーーー携帯電話も貸してもらえるんですか?

大塚
携帯電話を持っていない人が多いですから、プリペイドカードを利用するタイプの携帯電話を貸し出しています。「面接結果は後日連絡します」という場合が多いので、採否の連絡を受けられるように用意しているものです。面接が決まった方に1週間程度の期間を設けて貸出しています。

ーーーこの場所にはどれぐらいのスタッフさんがいらっしゃるんですか?

大塚
私を含めて10人います。就労支援員と呼ばれる、いわゆる相談員はふたり。あと就業開拓推進員がひとりいます。また、うち1名はワーカーズコープ・センター事業団から出向で来ています。

ーーー建物内を案内していただいてよろしいですか?

大塚
1階のこちらの部屋で最初のヒアリングをします。

ーーーどんなことを聞かれるんですか?

大塚
直近の生活状態や、健康状態、これまでの職歴などプロフィールをうかがいます。

では続いての記事で、どんな作業提供があるのかご紹介します。

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