大阪西成区にある、釜ヶ崎では日雇い労働の求人が2種類あります。
「現金求人」と「契約求人」です。
今回は、この2つの求人の違いについて説明させていただきます。
(日雇い労働そのものについては、コチラの記事をご覧ください)
●現金求人
「日雇い労働」と聞いてイメージされるのがこの現金求人です。
その日、求人を見つけて、各現場に通勤しその日に仕事が終了し、賃金が支払われる求人です。夜勤などもありますが、概ね早朝(早い場合は午前3時からも)に西成労働福祉センターおよびその周辺で待機している求人業者[通称:手配師(てはいし)]とやりとりをして仕事を決定します。実際の勤務地はそこから移動が必要で、各自電車で移動する場合と車で送迎してくれる場合があります。基本的にその日の夕方に仕事を終え、その際に賃金(日当)が現金で支払われて仕事が終了します。帰る際も、電車で帰る場合と、車で送ってくれる場合それぞれがあります。
○現金求人のメリット
・日帰りで帰って来ることができる
・単発で働くことができる
×現金求人のデメリット
・求人が減少しているときは契約求人が優先されることが多い
・勤務地(現場)までの移動を自身で電車に乗っていく場合も多い
●契約求人
宿舎に入寮[通称:飯場(はんば)]し、そこから日雇い労働に従事します。雇用契約の期間は2日以上30日以下で、賃金は雇用契約が終了する際に支払われます。(雇用契約終了前にも前借りの形で一部賃金を受け取ることも可能)
宿泊費は労働者が負担します。3,000円前後が相場で、宿泊費、食費が含まれています。
一部の寮ではフリーWi-Fiも整備されています。
○契約求人のメリット
・現場まで車で送迎あり
・現金求人より優先的に仕事が回ってくる
・食事も準備されているので、自分で準備をしなくてもいい
×契約求人のデメリット
・寮での生活になるため、好きな場所で生活ができない
・毎日仕事があるわけではないので、寮費の支払いがかさみ収入が少なくなることもある
・寮内での人間関係のトラブルも少なくない
●「現金」「契約」それぞれの使い分け
現金の場合は自宅から通って通勤したり、
西成にある簡易宿所[通称:ドヤ]に宿泊しながら通勤している人が多いのですが、
日雇いが長期間見つからない場合、住まいや寝場所が無くなってしまいます。
また、長期間同じ場所で安定して働き続けた場合、
優先的に仕事を回してもらえること[通称:顔付け]もあります。
契約の場合は、仕事が少ない時期や悪天候で現場が動かない時期などには、
収入よりも宿泊費の方が高くなってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
それぞれにメリット、デメリットがあり、
希望や状況に応じて選択をする必要があります。