ライフハック

生活保護を受けるためにおさえておきたい大事なこと。

ヨリドコ編集長・小林

生活保護制度とは、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長する制度生活保護制度|厚生労働省より)です。

この記事ではよくある誤解を解きながら、現時点で家がない人が生活保護を受けるための手順について紹介します。現時点で住居がある人もご参考ください。

生活保護を受けるには、どんな手順が必要か?

ーーー生活保護制度って、いま生活に困っている人にめっちゃ助かる制度ですね。でも「【動画】お金がない・・・生活保護受けた方がいい!?受けない方がいい!?経験者に聞いてみた! – ヨリドコオンライン」で紹介されているように、申請をしたくない人もいるようですね。

ヨリドコ編集長・小林

ヨリドコ編集長・小林(以下、編集長)「そこが悩みどころです。大きな理由としては扶養照会をかけられたくない、つまり家族に連絡されたくないという方が多いんですが、ひとつの安心材料としては、厚生労働省からのお知らせで、本人が拒んでいる場合は申出書で扶養照会を回避する方法が2021年3月末から運用されることになりました。

参照:生活保護制度 |厚生労働省

ーーー家族に知られたくない事情もありますからね。生活保護ってどうやったらもらえるんですか?

編集長「生活保護をとるときって最初に住所が必要なんですが、」

ーーーえ? 住むところがなくて困っているのに? いきなり厳しいですね…

編集長「大丈夫です!」

ゼロゼロ物件をゲットする

編集長「都道府県によって方法が違うんですが、大阪府では基本的には支援団体がとる一般的な流れでいうと、ゼロゼロ物件を契約してもらうんですよ。」

ゼロゼロ物件

ーーーゼロゼロ物件? はじめて聞いた単語です。

編集長「ゼロゼロ物件はイニシャルコストがゼロ、敷金礼金ゼロの物件です。探せばいろいろあります」

ーーーそれは助かります。念のためですが、ゼロゼロ物件がない場合はどうなりますか?

編集長「大阪の場合は行政の施設で一定期間生活した上で、生活保護費で敷金礼金を出してもらう方法があります。そうなると施設で生活しないといけないんですが、施設って大部屋で集団生活をする必要があります。集団生活が苦手な場合はゼロゼロ物件をオススメします。大阪の場合はゼロゼロ物件を先に借りておいたら一旦次に進めます。」

物件の契約書をもって役所に申請に行く

窓口

編集長「で、その物件の契約書をもって役所に申請に行きます。大家さんもわかってくださっている方が多いので、生活保護費が出るまでは家賃を待ってくれるんですよ。」

ーーーやさしいですね! ということは生活保護が決定するまでは無償で暮らせるわけですね。

編集長「これは一般的な流れですね。だから私たち支援団体は、ゼロゼロ物件をおさえている不動産屋と何軒かつながっています。問題がなければ生活保護費を申請してから2週間から4週間弱で決定するんです。その間、審査されるんですけどね。だから今日、生活保護費を申請しても2週間以上は待たないといけないんです。」

ーーー2週間! その間どうやって生きていけばいいんですか?

編集長「その間、市町村によって違いがあり、少額ではありますが、緊急援護資金を利用することができます。ちなみに生活保護は申請日にさかのぼって保護費が支給されるので、所持金がない人はためらわず、すぐに保護申請をしてもらいたいです。保護が決定された日からの支給ではなく、申請日からなので!」

ーーーなんと! それは助かります。

生活保護の申請後に調査がある

編集長「生活保護の申請後にケースワーカー(相談員)が世帯の収入や資産、扶養義務者から援助が受けられるかどうかなどを調査します。この時点で第一回目の家庭訪問が行われます。」

ーーー生活保護の申請後はどんなふうに過ごすことになりそうですか?

編集長「生活保護を受けている人って稼働能力の活用というのが決められているんです。働ける能力がある以上、基本的にはフルタイムで仕事しましょう、そのための仕事を探しましょう、となるんですよ。障害や大きな疾病があった場合は医者の判断で週3が限界ですよとか別のケースもありますが、とりあえず就職活動が必要で、ハローワークに行ってもらいます。」

ーーー数日前まで路上で自由に生きていたのに、急に就職活動するのってたいへんそうですね…。急に厳しいことを言われたらしんどくなるかも。

編集長「ですが、そうならないためにも僕らが世間と相談者との間に入って、通訳作業をすることによって、うまくコミニュケーションがとれたりする場合もあります。」

ーーーそうか、それまでに人間関係が築けているNPOの方が間に入って翻訳してくれると助かりますね。どこに問合せすればいいですか?

編集長「ぜひNPO法人釜ヶ崎支援機構のLINEまでご連絡ください。孤立する人が多いので、気軽に相談してきてほしいです。大阪以外の方はそれぞれにあった地域の連絡先を案内します。」

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